インナーサイレンサーの効果

サイレンサーの構造

 

 

 

音量規制が厳しさを増す中で、サイレンサーの構造についても進化が続いています。少し前では、エキゾーストマニホールドと一体となったほぼ同じ径を持つ金属パイプのものもあり、これではサイレンサーと呼べる部分は存在せず、従って音量低減効果もまず期待できないことになってしまうのですが、現在では、より耐久性のある確実に音量低減効果や有害成分抑制効果を発揮する構造が求められており、エキゾーストマニホールドやセンターパイプよりも大幅に太く大きなサイレンサー部分を持つ仕様になっています。

 

現在のマフラーのサイレンサーの内部構造は多段膨張式とストレート排気式という2種類があります。多段膨張式は、サンレンサー内部をいくつかの小室に分けて排気を遠回りさせるよう長さや太さの違うパイプでつなぐ構造が特徴で、排気が膨張や収縮を繰り返して音の圧力波を減衰させる仕組みになっています。

 

複雑な構造なので製造コスト高いのですが、構造自体が高い音量低減効果を持っているので、経年劣化が少ないのがメリットとなっています。グラスウールなどの吸音材に頼らないので、整備を必要とせず、しかも燃焼効率上昇や低回転域からのトルク特性向上を達成しやすい点も長所です。

 

対してストレート排気式は、サイレンサーの入口から出口まで直線的に排気を通す構造の中部で、太さを変化させたり、側壁をパンチングパイプにして、更に外側全周に配置されたグラスウール等の吸音材を合わせることで、音の圧力波を減衰して音量を下げる仕組みとなっています。

 

この方式のメリットは、構造が単純ななので多段膨張式よりも軽量なことです。又、排気が多段膨張式より抵抗が少ないので、回転数上昇が速く高回転型の出力特性に向いています。反面、燃焼効率が向上しにくく、低中回転域でのトルクが低下しやすいうえ、吸音材が経年劣化するので定期的な交換が必要となるのが欠点となります。